インプラント
インプラントとは?
インプラントとは、歯を失くした部分に被せるタイプのブリッジや入れ歯とは異なり、アゴの骨に直接埋め込む人工歯のことを指します。チタンで出来ており骨に結合し、しっかりと固定されるため、まるで自分の歯のように物を噛むことができます。
施術後、10年以上経過してもインプラントが残存している確率は96%以上、20年以上の確率は約90%との報告がなされています。
インプラントのはじまり
紀元前3世紀頃のヨーロッパでは上あごに、紀元前7世紀ごろの南米で下あごのそれぞれ人骨に直接貝殻を埋め込んだことがインプラントの始まりでした。
その後、金やエメラルド、サファイア、アルミニウムなど様々な素材が埋め込まれましたがどれも実用的なものにまで至りませんでした。
時は流れ、1952年にスウェーデンの学者であるペル・イングヴァール・ブローネマルク教授(1929年~)がウサギの骨にチタン製器具を埋め込んだ実験を行っていたところ、取り出すことができなくなるほど骨としっかりと結合していることに気が付きました。
こうして現在の主流であるチタン製インプラント治療が始まったのです。
ブローネマルクインプラントの歴史
世界が驚いたインプラント治療の成功率の高さ
インプラント治療の利点
最大の特長は効果が半永久的に続くこと
インプラントは生まれつき持っている歯の色や形に限りなく近づけることができ、噛む時の圧力にも耐えられる構造になっています。初めてインプラントの治療がなされたのは40年以上も前ですが、当時の患者のインプラントは今もなお維持されています。
現在、インプラント治療をされた方の数は60万人以上にも及びます。
今では、歯を失った方にとってインプラントは最善の治療方法となりつつあります。
従来の治療方法の問題点を改善するインプラント治療
ブリッジの問題点
ブリッジは隣接する歯を大きく削る必要があり、健康な歯を悪化させてしまうことになりかねません。
インプラントによる改善ポイント
インプラントは健康な歯を削ることなく、両隣の歯に負担もかけずに歯の健康を維持できます。
部分入れ歯の問題点
部分入れ歯は口の中の異物感や違和感により弾力のあるものやくっつきやすい食べ物をしっかりと噛むことができなくなります。またクラスプと呼ばれる金属の止め具をはめ込むため、見栄えが悪くなることも問題点の一つです。
インプラントによる改善ポイント
インプラントはアゴの骨に直接人工歯根を埋め込むため、弾力のあるものやくっつきやすい食べ物でもしっかりと噛むことができます。またクラスプのような金具を装着することもないのでまるで自分の歯であるかのような見栄えになります。
総入れ歯の問題点
入れ歯の固定力が弱いため、弾力のあるものやくっつきやすい食べ物をしっかりと噛むことができません。また、グラつきやズレが生じるため発音や滑舌が悪くなることが往々にしてあります。
インプラントによる改善ポイント
インプラントはアゴの骨に直接人工歯根を埋め込むため、弾力のあるものやくっつきやすい食べ物でも自分の自然の歯と同じようにしっかりと噛むことができます。また、インプラントは固定力が格段に強いため発音や滑舌に支障をきたすことはほとんどありません。
インプラントのメリット・デメリット
メリット |
自分の歯で噛む感覚 インプラントにすることにより、「自分の歯と同じような感覚でしっかりと噛む」事が可能になります。入れ歯にした場合は、ズレ、違和感や食べ物が入れ歯に挟まるといった問題が発生する可能性もありますがインプラントはそういった心配がありません。 |
健康な歯への影響を与えない インプラントでは一部の治療法を除き、周りの歯を支えにせず独立した治療を行うため、残っている健康な歯に負担をかけずに済みます。 |
メリット |
治療期間が長い 手術以外にも抜歯や経過観察などで5回程度の通院が必要になります。治療期間は症状によってそれぞれ異なりますが、長ければ6ヶ月程度かかる場合もあります。 |
手術が必要 インプラント治療では、あごの骨にインプラントを埋め込むための手術が必要になります。麻酔で痛みはかなり軽減されるものの、少なからず体には確実に負担がかかります。 |